前立腺ドック
日本では前立腺がんの患者数が増加しており、2020年から2024年にかけて年間約105,800人の新たな患者が発生すると予測され、これにより前立腺がんは男性がんの中で最も多いです。通常、前立腺がんは高齢者、特に60歳以上の男性に多く見られますが、最近では食生活の欧米化などの影響から若年患者も増加傾向にあります。
そのため、日本泌尿器科学会ガイドラインでは50歳以上の男性に対して、前立腺がんの早期発見を目的として前立腺癌のスクリーニング検査を行うことを推奨しています。
前立腺がんのスクリーニングには、特定の血液マーカーである前立腺特異抗原(PSA)の検査があり、50歳以上の男性は自身のPSA値のチェックをしておくことをおすすめしています。
PSA検査
PSA(prostate specific antigen)は、前立腺から分泌される特定のタンパク質です。PSA検査は、患者さんの血液を採取し、その中に含まれるPSAの濃度を測定する検査です。
通常、ほとんどのPSAは精液中に分泌されますが、ごくわずかな量が血液中にも存在します。健康な状態では、血液中のPSA濃度はごくわずかです。しかし、前立腺肥大症、前立腺炎などの疾患があると、前立腺から出るPSAにより血液中のPSA濃度が上昇します。
特に前立腺がんの場合、前立腺の組織が破壊されると、血液中のPSAが増加する傾向があります。PSA検査は、このメカニズムを利用して前立腺がんを検出するための精度の高い検査法です。
プロステートヘルスインデックス(phi)
プロステートヘルスインデックス(phi)は、前立腺がんの診断精度向上を図ることができる検査です。
phiは、遊離型PSA(free PSA)、総PSA(total PSA)、[-2]proPSAのような要素を組み合わせて使用し、既存のマーカーと比較して前立腺がんの検出率を向上させることができます。これにより、前立腺がんの診断においてより効率的なアプローチが可能となり、前立腺生検が必要な患者さんの絞り込みができます。
一般に、前立腺がんは初期段階では症状が出ないことが多く、PSA(前立腺特異抗原)の測定が診断に役立ちます。ただし、PSA値が4から10ng/mLの範囲ではがんの検出率が20%〜40%程度あります。このため、phiを置くことで精確な判定が可能となり、無駄な生検を避けつつ前腺がんの早期発見をサポートします。
前立腺エコー
前立腺の形や大きさなどをお腹の上から超音波を当てて調べます。
エコー検査は、前立腺がんや前立腺肥大症などの診断に役立つ検査です。エコーでは膀胱も同時に見ることができるため、膀胱結石などが見つかることがあります。PSA(血液検査)の数値とあわせて診断します。
男性更年期障害ドック(テストステロン検査)
男性更年期障害とも言われる「LOH症候群」という、加齢に伴い男性ホルモン(テストステロン)の分泌低下によって引き起こされている可能性があります。
動悸、息切れ、ほてり、しびれなど、「日々の疲れがとれない」「イライラする、うつ症状がある」ときは、男性更年期障害かもしれません。
そのため、当院では男性更年期障害ドックによる男性ホルモン検査をメインとした検診を行っています。
性感染症(STI)検査
性病検査は、性感染症(STI:性感染症)に感染しているかどうかを確認するための検査で、通常は血液検査、分泌物検査、尿検査などが行われます。
性感染症は、性交や口腔性行為などで感染し、感染リスクを最小限にするために性病検査が重要です。性感染症にはクラミジア感染症、梅毒、性器ヘルペス感染症、尖圭コンジローマ、トリコモナス膣炎などが含まれます。また、B型肝炎、C型肝炎、エイズ(HIV感染症)なども性感染症の一部です。性病検査は早期発見と治療のために重要です。
男性ブライダルチェック
男性ブライダルチェックは、結婚を控えた男性が自分の健康状態を確認するための検査です。
感染症の検査は、感染症を早期に発見し、感染の拡大を防ぐために重要です。パートナーや胎児にも影響が出てしまう可能性があるため、できるだけ早めに検査することが大切です。
もちろん問題がなければ安心ですが、原因が見つかれば早期に治療ができます。
- 男性ホルモン(テストステロン)の測定は、男性の性機能や一般的な健康に影響を与える可能性があるため、重要な検査です。
- 一般的な血液検査は、全身の健康状態を評価し、皆様の健康問題を特定するのに役立ちます。男性不妊症の原因となる疾患(ホルモンの分泌異常)のスクリーニング検査も含みます。
- 精液検査は、生殖能力や生殖器の健康状態を確認するのに役立ちます。
男性のブライダルチェックは、結婚前に自分の健康を管理し、将来のパートナーとの幸せな生活をサポートするための重要なステップです。