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性感染症・性病検査

性感染症について

性感染症は、性行為を通じて感染する病気で、かつては「性病」と呼ばれましたが、最近では「性感染症」や「STD(Sexually Transmitted Diseases)」、「STI(Sexually Transmitted Infections)」とも呼ばれています。性感染症には症状がほとんど現れないものも多く、気付いた時には他人に感染している可能性があるため、注意が必要です。

日本では性感染症の患者数が増加傾向にあり、身近な病気となっています。特に、一度の性行為でも感染のリスクがあるため、慎重な行動が求められます。性感染症の予防にはコンドームの使用などが重要ですが、感染が疑われる場合は早めに専門家に相談することが大切です。性感染症の蔓延は、意識の高い人たちがコンドームをつけるなど気を付けていても、一部の意識の低い人たちがリスクの高い性交渉を行う事で感染が広がってしまいます、実際に性交渉の際に毎回コンドームを使用している割合は低く、最近の報告でも2割程度しかいなかったと報告されています。全員が正しい知識をもって性感染症の感染リスクの高い行為をしないように意識することが重要です。

性病検査料金

検査項目 料金 検査結果
➀淋菌・クラミジア同時核酸検出PCR
(尿またはうがい液)
8,000円(税込) 2~4日
➁マイコプラズマ・トリコモナスPCR
(尿またはうがい液)
9,000円(税込) 2~4日
➂ウレアプラズマ尿培養(尿) 9,000円(税込) 1週間
➃HIV・梅毒・B型肝炎・C型肝炎(血液検査) 15,000円(税込) 2~4日
HIV(血液検査)  7,000円(税込) 2~4日
梅毒(血液検査) 7,000円(税込) 2~4日
B型肝炎・C型肝炎(血液検査) 4,000円(税込) 2~4日

性病検査一式(➀+➁+➂+➃)
(尿検査・血液検査)

38,000円(税込) 1週間

性病検査一式(➀×2+➁×2+➂+➃)
(尿検査・うがい液検査血液検査)

48,000円(税込) 1週間

 

男性不妊検査料金

検査項目 料金
⑤男性不妊ホルモン採血一式
(下垂体ホルモン・甲状腺ホルモン・男性ホルモン、風疹抗体、糖尿病、コレステロール、肝機能、腎機能など)
25,000円(税込)

⑥精液検査

8,000円(税込)
⑦精巣エコー(超音波)検査 8,000円(税込)
男性ホルモン(テストステロン)(血液検査) 4,000円(税込)
男性不妊検査セット(⑤+⑥+⑦) 35,000円(税込)

男性のブライダルチェック料金

検査項目 料金
性病検査一式
(➀×2+➁×2+➂+➃)+男性不妊検査セット(⑤+⑥+⑦)
80,000円(税込)

女性のブライダルチェック料金

検査項目 料金
性病検査一式
(➀+➁+➂+➃)
(膣分泌液・血液検査)
38,000円(税込)
性病検査一式
(➀×2+➁×2+➂+➃)
(膣分泌液・血液検査・うがい液)
48,000円(税込)
血液検査

HIV、梅毒、B型肝炎、C型肝炎、男性ホルモン、下垂体ホルモン、甲状腺ホルモン、風疹抗体、糖尿病、コレステロール、肝機能、腎機能など

尿検査

淋菌・クラミジアPCR、マイコプラズマ・トリコモナスPCR、ウレアプラズマ培養

うがい液検査

淋菌、クラミジアPCR、マイコプラズマ・トリコモナスPCR

精液検査
精巣エコー(超音波)検査

 

東京都不妊検査等助成について

東京都では、子どもを望んでいるけれども実現が難しい、不妊治療を考えているご夫婦に対し、早めの検査と人工授精などの治療をサポートしています。夫婦1組につき最大5万円の助成があります。
具体的な検査には精液、内分泌、精巣エコー、感染症(淋病、クラミジア、梅毒など)が含まれます。
詳細はこちらのウェブサイトをご覧ください。

東京都不妊検査等助成事業のご案内について

このような症状はありませんか?

性感染症の一般的な症状について説明します。これらの症状が現れた場合、男女にかかわらず感染の可能性があるため、早めに医師の診察を受けることが大切です。

  • 外陰部のかゆみや痛み
  • 外陰部にできものが現れる
  • 外陰部にしこりを感じる
  • 外陰部に水疱や潰瘍ができる
  • 排尿時にかゆみや痛みを感じる

性感染症リスクの高い行為またはリスクの高い人

性感染症の感染経路は性行為に関連しており、オーラルセックスやアナルセックスを含む性的な行為が感染の主な原因となります。感染の可能性がある場所は性器だけでなく、口、肛門、目などの部位も含まれます。性感染症は、これらの部位の粘膜が接触することで感染が広がるため、性行為において感染拡大のリスクが高まります。

性感染症リスクの高い人

  • 風俗など職業としてセックスをしている人
  • 1年間で4人以上の違う相手とセックスしている人
  • 同時期に複数人のパートナーがいる人
  • 同性愛者
  • HIV感染者
  • 薬物中毒者

性感染症リスクの高い人ほど、コンドーム使用率が低いという報告があります。アナルセックスやオーラルセックス、同性愛者でのセックスでは妊娠のリスクがないためコンドームの使用率が低いとされていますが、たとえばHIVはアナルセックスで感染しますので注意が必要です。
J Sex Med. 2017;14(4):541-550.

主な性感染症について

性器クラミジア感染症

クラミジア・トラコマチスは、性感染症の原因となる細菌です。この性感染症は男女を問わず感染者が多く、特に10代から20代の若い女性に多く見られます。

男性の場合、クラミジア感染の主な部位は尿道で、痒みや痛み、膿の排出などの症状が現れます。一方、女性の場合、クラミジア細菌は膣から子宮頸管(膣の奥にある子宮とのつなぎ目)に感染することが一般的です。感染初期段階では自覚症状がほとんど現れません。ただし、おりものの量が増加し、色や臭いが通常と異なる場合があることが報告されています。

さらに、クラミジア感染はオーラルセックスやアナルセックスなどの性行為によって粘膜が接触した他の部位にも広がる可能性があります。したがって、性交だけでなく、オーラルセックスやアナルセックス、さらにはディープキスを通じても感染する危険性があることに留意が必要です。

梅毒

梅毒は、梅毒トレポネーマと呼ばれる細菌の感染によって引き起こされる性感染症です。梅毒は感染者の皮膚や粘膜との直接接触によって感染し、主に性行為を通じて広がります。性交だけでなく、オーラルセックス、アナルセックス、キスを介しても感染のリスクがあります。梅毒は感染症法届け出による梅毒報告数は2000年から2012年までは年間500人程度でしたが、2015年に2000人を超えて急激に増加しています。2018年には7000人を超え、2022年には12000人を超えて増加しています。届け出されていない数も含めると実際にはもっと多くいると考えられます。男性では20-40代、女性は20-24歳の感染がもっとも多く報告されています。

また、妊婦が感染すると、胎児に感染が広がり、先天性梅毒と呼ばれる状態を引き起こすことがあります。この場合、早産や死産のリスクが高まるだけでなく、新生児に奇形が現れる可能性もあります。

梅毒の症状は段階的に現れ、感染後3週間から3ヶ月、3年後にかけて変化します。第1期(感染後3週間から3ヶ月)では、性器、肛門、口唇などに硬いしこりである下疳ができます。この段階の症状はほとんど痛みを伴わず、約3週間で自然に消えることがあります。

第2期(感染後3ヶ月以上)では、梅毒細菌が全身に広がり、さまざまな症状が現れます。これには、梅毒性バラ疹と呼ばれる赤い発疹、梅毒性脱毛症、喉や扁桃腺の痛みや腫れ(梅毒性アンギーナ)などが含まれます。第2期の症状も約半年で自然に消失することがあります。

第3期(感染後3年から10年)では、ゴム腫と呼ばれる腫瘍が体中にできることがあります。これはゴムのような質感を持つ腫瘍で、皮膚だけでなく内臓にも発生することがあります。

腫瘍の表面が壊れると潰瘍になる可能性もあります。第4期(感染後10年以上)では、心臓、脳、神経などの臓器に影響が及び、日常生活に支障をきたし、最悪の場合、致命的な状態に至ることがあります。梅毒の早期診断と治療が重要であり、感染が疑われる場合は速やかに医療専門家に相談するべきです。

梅毒の治療法はすでに確立されており抗生剤のペニシリン薬がよくつかわれています。日本では内服のペニシリン薬が以前から保険診療でよくつかわれていましたが、2022年1月から長期作用型のペニシリン注射剤が保険診療で使えるようになっています。早期梅毒の場合の治療は1回だけの注射になり薬剤の自己負担額は3割負担の場合2700円程度になります。

ペニシリン製剤は薬剤アレルギーの懸念がありますが発売後1年以上たった時点で2000人以上に使用されましたが重度のアレルギー反応(アナフィラキシーショック)を起こしたのは1人だけと報告されています。

淋病

淋菌感染による淋病(または尿道炎)は、淋菌と呼ばれる細菌に感染することで引き起こされます。淋病の主な症状は生殖器周辺の炎症であり、性行為を通じて感染が広がります。男性の場合、感染は尿道に炎症を引き起こし、尿道からの排尿時に痛みや膿の排出がみられることが一般的です。

女性の場合、子宮頚管に感染が広がることがあり、感染初期段階では症状がほとんど現れません。

感染してから症状がでるまでの潜伏期間はだいたい3-7日間程度とされています。淋病は性行為により男性の尿道や女性の子宮頚管だけでなく、喉の粘膜にも感染することがあります。また、淋病は男性の方が症状が出やすいと言われていますが、10代から20代の若者において男女差はほとんどなく、近年では若い女性にも感染が広がっています。

性感染症の感染を予防するためには、適切な方法でのセックス、特にコンドームの使用が非常に重要です。感染が疑われる場合は、早めに医療専門家の診察を受けることが必要です。

性器ヘルペス

性器ヘルペスは、単純ヘルペスウイルスⅠ型もしくはⅡ型に感染することで引き起こされる性感染症です。一度感染すると、再発が頻繁に起こることがあり、現代医療ではウイルスを完全に根絶することが難しい疾患です。以前はI型は口唇におおく、II型は性器に多いとされていましたが、オーラルセックスが増えたこともあり明らかな区別はできにくくなっています。

男性の場合、性器ヘルペスの主な症状には、亀頭や陰茎に小さな赤い発疹や水疱が現れ、痛みが伴うことが一般的です。女性の場合、膣の入り口や肛門周辺に激しい痛み、水疱、発熱などの症状が現れることがあります。

特に初感染の場合、ヘルペスウイルスによる無菌性髄膜炎と呼ばれるエルスバーグ症候群が発生し、神経因性膀胱にともなう尿閉、膀胱炎様の症状、便秘などが現れることもあります。

性器ヘルペスの治療には、抗ウイルス薬の内服が基本です。軽度の場合には軟膏の使用も考えられます。再発が頻繁に起こる場合には、再発を抑制するために抗ウイルス薬を長期間内服することがあります。性器ヘルペスは完治が難しいため、症状の管理と感染拡大の予防が重要です。症状が疑われる場合は、医療専門家の診察を受けることが大切です。

尖圭コンジローマ

尖圭コンジローマは、性行為によって感染するヒトパピローマウイルス(HPV)によって引き起こされる疾患で、性器や肛門周辺にイボ(腫瘤)ができる性感染症です。感染率は高く、尖圭コンジローマの患者と性行為をした場合、感染率は60~80%と言われています。特に10代後半から30代前半の若い世代で多く見られます。

主な特徴は、性器や肛門周辺に、鶏のとさかやカリフラワーのような形状の表面がでこぼことしたイボができることです。これらのイボは通常痛みを伴いませんが、一部のHPVの種類によっては、イボが悪性腫瘍へと進行することがあります。また、感染した母親から新生児への感染も起こり、分娩時に新生児の呼吸不全を引き起こす恐れがあります。

尖圭コンジローマの治療法として、液体窒素を用いた冷凍凝固療法や、ウイルスの増殖を抑えるための塗り薬が一般的に使用されます。また、漢方薬の併用が検討されることもあります。尿道内にイボが認められる場合には、外科的な切除が必要となることもあります。

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予防や治療はパートナーとご一緒に

性感染症のほとんどは性行為によって感染する疾患であり、不特定多数との性交渉を避けても完全に予防できるわけではありません。実際には、症状がほとんどない場合もあり、感染に気付かないことがあるため、感染の危険性があるかどうか確認するためには性感染症の検査を受けることが重要です。

感染の有無に不安を感じる場合、パートナーと協力して性感染症の検査を受けることを検討することは大切です。性感染症の早期発見と適切な治療は、感染拡大を防ぎ、自身および他の人への感染リスクを減少させるために重要です。性感染症についての知識を深め、予防と早期対応に努めましょう。

性感染症ドック

性感染症の自覚症状がない場合でも、早期発見を目的とした検査が重要です。当院では性感染症の検査を提供しており、男性には尿検査、女性には頸管粘液検査を含む性器検査、咽頭検査、および血液検査などを行い、感染症の有無を確認します。とくにパートナーが変わったタイミングや結婚前などにチェックすることをお勧めします。

 

B型肝炎の感染について

B型肝炎は性行為による感染のリスクがある病気で、以下の性行為や感染経路が挙げられます。

  • セックス
  • 性器どうしの接触感染
  • アナルセックス
  • 出血を伴う可能性がある性行為

特に出血を伴う性行為は感染リスクが高まります。また、B型肝炎はタトゥーなどでの針の使いまわし、予防接種などでの注射の回し打ちによる感染も増加しています。

さらに、出産時においても母親から新生児への感染が起こります。この場合、母親の体内に感染したB型肝炎ウイルスが産道を通じて新生児に感染しますが、現在は母子感染予防対策により感染はほとんど見られなくなっています。

B型肝炎の原因となるウイルスが存在する箇所は、血液、精液、および膣分泌物です。感染はこれらの体液を介して、粘膜や傷口から体内に侵入することにより広がります。性感染症の予防には適切な対策と啓発が重要であり、性行為や医療処置における感染リスクを最小限に抑えるための予防策が必要です。

B型肝炎の感染・症状が不安な方へ

性感染症は、早期発見と適切な治療が極めて重要です。性感染症の予防検査は、保険証を提示せず匿名で受けることができる予防会の郵送検査キットを活用することで、他の人に知られずに性感染症の状態を確認できます。

性感染症は、性的な経験がある人にとって感染リスクがある病気で、症状が軽微または無症状のことが多いため、自己検査を行うことが非常に重要です。感染に気付かないまま放置すると、症状が進行し、重篤な合併症や不妊症の原因となる可能性があります。

性感染症の検査は、感染の早期発見と適切な治療を可能にし、個人の健康を守るために重要なステップです。性感染症のリスクを軽減し、感染拡大を防ぐために、検査と予防策を積極的に活用しましょう。

病気の概要

ヒトパピローマウイルス(HPV)は一般的なウイルスで、性経験のある女性の50%以上が生涯で一度は感染するとされています。このウイルスは子宮頸がん、肛門がん、膣がんなどのがん、尖圭コンジローマなど、さまざまな病気の原因となります。特に、最近では若い女性の子宮頸がんの発症が増加しています。男性の場合は陰茎癌の原因にもなっています。このため、HPV感染への注意が必要であり、定期的な検査や予防接種などが重要です。

 

ヒトパピローマウイルス感染症にかかった場合

ヒトパピローマウイルスに感染すると、ウイルスは通常、自然に排除されることがありますが、一部の場合には感染が持続することがあります。この場合、長い期間感染が続くと子宮頸がんのリスクが高まると考えられています。子宮頸がんは早期に発見すれば治療が比較的容易ですが、進行した段階での治療は難しく、予防や定期的な検診が重要です。HPV感染への注意と早期発見ががん予防の鍵となります。

マイコプラズマ、腟トリコモナス、およびウレアプラズマ感染症の主な症状

以下の症状が現れることがありますが、軽度であるために気付かないことが多いです。

  • おりもの量の増加
  • 外陰部のかゆみ
  • 排尿時の痛み
  • 陰部のかゆみ
  • 不快感
  • 少量の分泌物

これらの症状は一般的に軽度であり、無症状の場合も多いです。性感染症は無症状で進行することがあるため、定期的な検査や注意が必要です。

 

長引く原因不明の尿道炎の正体

マイコプラズマ、腟トリコモナスおよびウレアプラズマは、最近注目を浴びている尿道炎の原因菌で、尿道炎は尿道に微生物や菌が感染して炎症が起こる疾患です。これまで、クラミジアや淋菌が主要な原因と考えられていましたが、最新の研究によれば、約20%の尿道炎がマイコプラズマ、腟トリコモナスおよびウレアプラズマ感染によるものとされています。