腎機能は年齢と共に低下する。できるだけ腎臓を大切にして長持ちさせるには?
今回は腎機能障害についてお話したいとおもいます。
腎機能障害といってもあまりピンとこない人が多いかとおもいます。というのも症状がなくって、いざ進行してしまって透析になったら大変なのですが、結構ギリギリまでは症状が出ないのであまり興味をもってもらえないというのがあるかもしれません。
腎機能の検査はこどもからおとなまで健康診断の採血項目の中にだいたい入っています。具体的にはCre(クレアチニン)という項目ですが、自分のCreの値を覚えてる人はほとんどいないとおもいます。
正常値はだいたい1.0以下で、腎機能が悪化していくとCreは上がっていきます。1.2とか1.5とかなってきたらちょっと腎機能が低下しているという感じで、2.0を超えたらかなり悪いです。さらに上がって5とか6とか超えてくるともう末期腎不全で透析の準備をしましょうという感じになります。
このCreの数値ですがすこし分かりにくくて、Creが1から2に上がった場合、腎機能が1/2になったとか、1から3になったら1/3になったというわけではないんです。
実際には1をこえて1.2とか1.5に悪化するまでには結構な時間がかかるんですけど、2.0を超えてきたらあとはあっという間に5とか6くらいまで上がってあっという間に透析になりますので、この数値の上がるスピードと腎機能の悪化のスピードがだいぶ違うので、患者さんにとってもイメージしづらいです。
そこでわかりやすい指標というのがあって「eGFR」というのがあります
これは、採血項目のCreの値から計算してだされます、具体的な計算式は複雑でむずかしいですが、Creの値と年齢と性別をいれると自動的に計算されるものになります。
このeGFRが実は分かりやすくて腎機能のレベルと数値が直線的に比例しているんですね。
たとえば正常な腎機能はGFR60以上ですね。45-60だと軽度低下、30-45だと中等度低下、15-30だと高度低下、15以下になると末期腎不全でそろそろ透析ですねという値になります。
ですので検診の結果とか見る時にはCreの値と一緒にeGFRの方をよくみたほうが分かりやすいと思います。
では腎機能障害を指摘されたらどうしたらいいのか。おもな原因を3つ上げますと糖尿病・高血圧・腎炎になります。
実際には糖尿病と高血圧が大部分を占めますので、結局は生活習慣病ですよね。
血糖を下げる、運動する、塩分控えめ、脂もの控えるとか生活習慣を改善するというのが一番になります。
ただ、実際問題、食生活とか生活習慣てなかなか変えられないんです。ダイエット成功してスリムな体になったひとて身の回りにあまりいないですよね。
そういうわけですので腎機能障害て初期のころは症状は何もないので、食生活を改善しようというモチベーションがわかないんです。結果的にだいぶ腎機能が低下してからどうしよう?となるのですが、一旦低下した腎機能は回復することはないです。できる事というのは限られていて、これから先、できるだけ腎機能が落ちていくスピードを緩やかにするというような治療になってしまいます。
他にも腎機能が悪くなる病気はいくつかありますので、腎機能に異常を指摘された場合はご相談ください。